今回は、「IP規格」について記述していきます。
初めに
IPって聞いたことがありますか?
最近は電子機器が無駄に発達していきているので、スマートフォンのカタログなんかを見ていると「IPX8」のような謎の表記を見たことがある方がいるのではないでしょうか?
アレのことです。
産業用機器でいうと、モータやその制御装置であるコントローラなんかもIPがどこかに記載されていることがあります。
今回は、あの表記は何を表しているのかについてのまとめとなります。
IPとは?(簡潔に)
IPは、対象がどの程度の防塵防滴作用を有しているかを表しています。
平たく言えば、隙間からどの程度のゴミや水なら侵入してしまうかという度合を表しています。
IP00、IP67のようにIPの後ろに数字が2つ付き、左側の数字が大きいほど防塵性能が高く、右側の数字が大きいほど防水性能が高いです。
その為、IPは防塵防滴作用を表していると覚えておけば、どちらの数字が何に対する等級を表しているか混乱せずに済みます。
IP68が最高スペックで、IP68の場合は粉塵の侵入は無く、水中での使用が可能なレベルになります。
IPとは?(もう少し詳しく)
IPはInternational Protectionの略で、直訳で国際保護になります。
世界共通の粉塵や水滴からの保護基準だということですね。
よくある規格の一つです。
IPは数字が大きいほど保護等級が上がるわけですが、各等級であると認められるには決められたテスト方法をクリアする必要があります。
上記のテスト内容はIEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)で規定されていて、この規定に基づいてIPという表示がされています。
等級ごとのテストの内容は以下のリンク先PDFをどうぞ。
IPは、防塵作用・防滴作用のどちらか一方の性能を省略して表示する場合があります。
省略する場合は数字部分にXが入ります。
つまり、IPX1、IP1Xのような表示になります。
ちなみに、IPX8になっていれば水中で使用しても問題ないとされていますが、これは絶対ではありません。
上記のPDFの内容を読むとわかるのですが、IPX1~IPX7まではテスト方法が詳細に書かれていますが、IPX8には明確なテスト方法が記されておらず、「メーカと機器の使用者間の取り決めによる」とだけ書かれています。
どういうことかというと、メーカ側が「こんな状況なら水中で使用しても問題ないですよ」という注意書きをしてくれているので、その範囲内での使用なら水中でも可という意味になります。
例えば、プール・温泉・海などの水道水+不純物で構成された水に対する防水性能はなかったりすることがあります。
他には温水がダメな場合もありますので、『防水って書かれているから風呂でスマートフォンいじってたら壊れた』と苦情を言ったら恥をかいた、なんてこともあるかもしれませんね(笑)
しっかり取説には記載されているはずなので、IPX8だからといって過信しないようにしましょう。
以上、「IP規格」についての説明でした。