【基礎から学ぶ基板】 フラックスとは? ~フラックスの用途と種類

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基本的に”イメージ”を意識した内容となっておりますので、基礎知識の無い方への入門向きです。
じっくり学んでいきましょう!

今回は、「フラックス」についての説明です。

フラックスとは?

はんだ付けの話になるとフラックスというモノが付いて回ります。
フラックスとは、はんだ付け促進剤(酸性の薬品)のことです。
これが無いとはんだ付けが成り立たないと言っても過言ではありません。

フラックスの持つ作用は大きく分けて四つあります。

清浄作用

パターン銅箔露出部についた異物や酸化膜を取り除く働きをするので、パターンとはんだの間で合金層を形成しやすくなります。

酸化防止作用

接合部が酸化しづらくなります。

表面張力低下作用

はんだは表面張力のせいでダマ(丸くなること)になりやすいのですが、フラックスがあるとダマになりにくくなります。
つまり、フラックスがあると平らに広がりやすくなります。
表面がザラザラしたり、はんだごてを離す際に角ができたりするのはフラックスが足りていない証拠です。
この状態だと、近くのパターン同士でブリッジしてしまったりと碌なことがないです。

熱伝達作用

これは作用と言っていいのか微妙ですが、フラックスが真っ先にパターン表面に広がることではんだごての熱をより伝達してくれるので、はんだが溶融しやすくなります。

これらの作用によって私たちが何気なく行っているはんだ付けは楽になっているのです。

では、そんなフラックスとは一体何なのかというと、いわゆるヤニのことです。
ヤニとは、松ヤニなどの植物性の天然樹脂を薬品に加えたものです。

はんだごての近くにフラックスが置いてあるのは見たことがあるけど、実際にはんだ付けをする時にフラックスなんて使ったことがないという人はいると思います。
ただ、それは使っていることに気付いていないだけです。
どういうことかと言うと、フラックスってはんだの中に入っているんです
※ 入っていないはんだもあります。

はんだ付けをしていると、なんか臭い煙がでますよね。
あれは、はんだの中に入っているフラックスが蒸発して出た煙です。
はんだに含まれるフラックスの量は少量で且つ目に見える形で蒸発するので、その性能を発揮するのはわずか数秒です。
その為、その短い時間で正しくはんだ付けをしないとフラックスが蒸発して無くなり、先程述べたフラックスの作用が失われてしまいます。

はんだ付けの不良を修正する為に少量のはんだを追加したことはありませんか?
はんだ付けがうまくいっていないからはんだを追加したらうまくはんだ付けができたと感じてしまいますが、これは厳密には(はんだに含まれる)フラックスを追加したことによりうまくはんだ付けされているのです

結論としては、はんだ付けがうまくいかないのは大体フラックスが不足しているからなので、そんな時はフラックスを追加しましょうという話になります。
別にはんだを追加したいわけではないのです。

フラックスの種類

フラックスにはなんか固体状(ペースト?)のものと液体状のものを見たことがあるのではないでしょうか?

固体状のフラックスは、熱したはんだごてを直接つけることで、こて先にフラックスを塗布して使用します。
使い古された固体状フラックスは中にはんだのダマが浮いてたり、はんだごてを当てることによりできた窪みのせいで結構グロテスクな見た目になるんですよね。

液体状のフラックスは、蓋部分に刷毛が付いているものがほとんどなので、それを使用して基板のパターン側に塗布して使用します。

固体か液体かで微妙に付ける場所が違うんです。

それよりも重要なのは、フラックスには用途別の種類があるということです
具体的には、金属用フラックス電子部品用フラックスステンレス用フラックスなどが存在します。
用途に合わせたフラックスを使用しないと酸性が強すぎて逆に腐食の原因になってしまったりするので、しっかりと何用のフラックスなのか確認するようにしましょう。

フラックスのデメリット

フラックスのメリットばかり書いたので、しっかりとデメリットも書いておきますね。

1.付けすぎると母材の金属が腐食する可能性がある。

2.有毒なガスと異臭を発生させる。

3.時間経過で水分を吸収して絶縁抵抗が劣化する。

はんだに含まれるフラックスで足りるなら無理に足す必要はないと意識しておきましょう。

以上、「フラックス」についての説明でした。


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