【基礎から学ぶ静電力】 セラミックコンデンサとは? ~特徴と構造について

電気電子
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基本的に”イメージ”を意識した内容となっておりますので、基礎知識の無い方への入門向きです。
じっくり学んでいきましょう!

今回は、「セラミックコンデンサ」についての説明です。

セラミックコンデンサとは?

セラミックコンデンサとは、名称通りセラミック(陶磁器のこと、無機物を加熱処理し焼き固めた焼結体)を使用したコンデンサです
セラコンと略して呼ぶことが多いです。

形状による種類分けは、円板型積層型の2種類があります。

円板型は単板型とも呼ばれ、以下のような形状をしています。

大体橙色か水色で丸い形状をしていて、基板にあらかじめ用意しておいた穴(スルーホール)に足(リード)を挿し込んで基板の裏側からはんだで固定する…いわゆるリードタイプです。

積層型は主に以下のような形状をしています。

直方体で基板表面に実装するタイプ(SMTタイプ)のものが多いです。
多いと言ったのには理由があり、一見単板型に見えるようなタイプも積層型だったりします。
(上図右のようなタイプ)

円板型(単板型)はリードタイプのみ積層型はリードタイプとSMTタイプがあるんですね。

中でも、チップ型の積層セラミックコンデンサはあらゆる電子機器に使用されていて、一つの基板に数百個搭載されていることも珍しくありません。

積層セラミックコンデンサの構造

一番一般的な積層セラミックコンデンサの構造について説明していきます。

積層セラミックコンデンサは、名称通り“積層”構造になっています。
具体的には、電極と誘電体が交互に多重積層されています。

積層セラミックコンデンサの断面図は以下のようになっています。

図1

灰色部分が内部電極、黒色部分が誘電体層です。

実装時にはんだ付けを行う電極が左右に配置されていて、この電極は実は内部に向かって延びています
そこで、右側の電極ー誘電体ー左側の電極という順番に配置したものをいくつも積み重ねているから積層型というわけです。

この構造は複数のコンデンサを並列に接続していることに等しいです。
電極に誘電体を挟んだもの(=コンデンサ)が横並びになっていますからね。
並列接続時のコンデンサの静電容量は単純に足し算になるので、全容量の合計が合成静電容量となるわけです。

平行板コンデンサの静電容量は以下の式で表されました。

※ 静電容量C[F]は、誘電率ε[F/m]と導体板の面積S[m2]に比例し、導体板間の距離d[m]に反比例する。

セラミックコンデンサに関しても根本的な考え方は変わらないです。
この公式に積層数Nをかけるだけです。

その為、電極の面積が大きく、電極間距離が短いほど静電容量は増加します。

以上より、積層型形状は小型且つ大容量という理想を叶えてくれる構造となっています。

積層セラミックコンデンサの製造工程

積層セラミックコンデンサの製造方法は微妙に色々な種類があります。
ただ、どの方法も大きな流れは変化しないので、主流かと思われるグリーンシート工法(ドライ工法)についてざっくりと説明していきますね。

①誘導体のシートを形成する。
キャリアフィルムの上にペースト状にしたセラミック製誘導体を薄く引き伸ばして乾燥させます。
このシートをグリーンシートと呼びます。
この”グリーン”は“緑”ではなく“生”という意味です。

②内部電極を印刷する。
グリーンシート上にペースト状の電極材料を印刷(配置)します。
要するに同じ型の電極をまとめて配置します。
電極パターンを形成するマスクを用いて一度に印刷できるので、量産に向いています。

③シートを積層してプレスする。
印刷した電極がうまく重なるようにシートを積層した状態でプレスして、一体成型をする。
この工程で電極と誘電体が交互に多重積層されるわけです。
ちなみに、積層数は数百数千レベルで行われます。

④積層したシートを切り分ける。
一体成型した積層シートを決められたサイズに切り分けてチップ状にします。
ここで積層セラミックコンデンサらしい見た目に近づきます。

⑤焼成する。
切り分けたチップを焼成炉に入れて約1000~1300℃で焼き上げます。
焼き上げたチップは硬くなります。

⑥外部電極を形成する。
露出している内部電極に外部電極の材料をペーストし、再び焼き上げます。

⑦メッキ処理をする。
ニッケルメッキ及びスズメッキを施します。
通電することでメッキ処理を行います。
ニッケルメッキは信頼性向上、スズメッキははんだ実装を容易にするために行います。

⑧検査後包装する。

セラミックコンデンサの特性

セラミックコンデンサには以下のような特性があります。

  • 低ESRなので発熱しにくい。
  • 低ESLによる高周波領域での安定動作が可能。
  • 温度変化により静電容量が変化する。
  • 印加電圧により静電容量が変化する。

実際のコンデンサには抵抗成分(ESRと言う)やインダクタンス成分(ESLと言う)が存在し、セラミックコンデンサはESRもESLも低めになる傾向があります
セラミックコンデンサの場合は、ESRが小さいので発熱しにくいです
また、ESLが小さいと共振周波数が高くなるので、高周波数帯でも問題なく使用ができます

この辺りの説明が必要な場合は以下の記事を参照してください。

【基礎から学ぶ静電力】 コンデンサの特性 ~tanδや周波数特性について
基本的に"イメージ"を意識した内容となっておりますので、基礎知識の無い方への入門向きです。じっくり学んでいきましょう!今回はコンデンサの特性についてです。

温度変化によって静電容量が変化するのはコンデンサ共通の特性ではあるのですが、セラミックコンデンサは使用する誘電体の種類によって静電容量の変化率が大きく異なります
公的な規格でClass1(温度補償用積層セラミックコンデンサ/低誘電率系積層セラミックコンデンサ)Class2(高誘電率系積層セラミックコンデンサ)と分類されていて、Class1の方が温度特性は良いです。
また、印加電圧による静電容量の変化(DCバイアス特性)に関してもClass1ではほとんど発生しません。
誘導率が高くなる代わりに温度特性とDCバイアス特性が悪くなるんですね。

以上、「セラミックコンデンサ」についての説明でした。


【基礎から学ぶ静電力】

◎電荷と静電気 ~静電気の発生原理
◎コンデンサ ~構造と動作原理
◎電荷と電流の関係
◎静電気に関するクーロンの法則

◎電界と電束と電気力線の関係
◎電界と電位の関係
◎平行板コンデンサの静電容量

◎平行板コンデンサに導体を挟んだ場合の静電容量
◎コンデンサの合成静電容量
◎コンデンサに流れる電流 ~そもそもコンデンサに電流は流れる?

◎コンデンサ回路の電圧と電流の時間的変化
◎コンデンサの静電エネルギー
◎コンデンサの特性 ~tanδや周波数特性について
◎セラミックコンデンサとは? ~特徴と構造について
◎電解コンデンサとは? ~特徴と構造について
◎リプル電流とは? ~ノイズ吸収用のコンデンサに流れる電流
◎電気二重層コンデンサとは? ~特徴と構造について
◎充電されたコンデンサ同士を繋いだ時の挙動
◎充電されたコンデンサに複数のコンデンサを繋いだ時の挙動
◎R-C回路のコンデンサ端子電圧の時間的変化

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